注文住宅で家を建てるには、まず土地を探すところから始まります。
ただ、土地探しは「いい土地を見つける」だけでは終わりません。どの順番で進むのか、そしてお金がいつ動くのかを知らないまま進めると、途中で資金繰りに詰まってしまうことがあります。
特に見落とされやすいのが、土地を先に買うときのローンのタイミングです。住宅ローンは建物が完成してから実行されるのが基本なので、土地代の支払いが先に来ると、その間のお金をどう用意するかが問題になります。
この記事では、土地探しを始める前の準備から、購入までの流れを6ステップで整理し、それぞれの段階で何が起きるのかを、不動産業界に長く関わってきた視点で解説します。
土地を「どう見極めるか」のチェック項目は、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて読んでください。

土地探しを始める前の準備
土地探しを始める前に準備しておくと、スムーズに進められます。
準備しておきたいのは、次の3つです。
- エリアと予算の決定
- 希望条件の洗い出しと優先順位づけ
- 土地探しから購入までの流れを把握する
エリアと予算の決定|土地と建物のバランスが大事
注文住宅の最大の魅力は、家族が希望するエリアで自由に家づくりができることです。そこで重要になるのが、エリアと予算の決定です。
あらかじめ全体の予算から土地以外にかかる費用に目処をつけておけば、土地にかけられる予算を決められます。
建物を重視するのか、立地を重視するのか。土地と建物に費用をかけるバランスが、とても重要です。
建物に予算を使いすぎて土地の予算に制限が出たり、逆に土地を重視するあまり建物に予算を回せなかったり。こうした後々の問題を避けるためにも、初期段階で全体予算を決めておくほうがよいでしょう。
可能であれば、土地を探す段階で専門家や不動産会社、ハウスメーカーと事前に予算の配分を調整しておくことをおすすめします。
エリアを決める際は、通勤や通学、日常の買い物や施設利用などを考慮して、いくつかの候補を出すのがよいでしょう。
エリアが限定的になるほど土地の数も限られるので、可能であれば、候補エリアを複数持っておくと選択肢が広がります。
希望条件の洗い出しと優先順位の決定
決めたエリアに、希望する条件がすべて整っているとは限りません。
そこで希望条件を洗い出し、その中から優先順位をつけましょう。
・通勤は電車なので最寄り駅に近いほうがよい
・通勤は車だから最寄り駅は気にしないが学校は近いほうがよい
・車は必要ないから最低限の土地の広さでよい
・駐車場は3台分必要だから大きめの土地がよい
・日当たりは重視したい
・平屋を建てたい
このように家族全員の希望を洗い出し、譲れないところと妥協してもよいところに優先順位をつけて、希望するエリアで土地が見つかったときの判断材料にしましょう。
注文住宅の土地探しから購入までの流れ【6ステップ】
ここでは土地探しから購入に至るまでの流れを6つのステップで説明します。
状況によっては多少前後する場合もあるので、大まかな流れとして把握しておいてください。特に、お金が動くタイミングに注目すると、資金計画が立てやすくなります。
エリアや予算、希望条件が決まれば土地探しのスタートです。
工務店やハウスメーカーも決めて打ち合わせを行っておくと、土地の判断や資金計画が効率よく進みます。
気になる土地が見つかれば、金融機関(銀行)で事前審査を受けます。
「いくらまで借りられそうか」をこの段階で把握しておくと、土地に出せる金額がはっきりします。
事前審査が通れば、土地の売買契約を結びます。
※土地の売買契約と事前審査を同時並行で進めたり、先に土地の売買契約を結ぶ場合もあります。
住宅ローンの本審査は、土地と建物の両方の契約書(または見積もり)が必要になります。
※つなぎ融資・土地先行融資では、土地の売買契約書を中心に先行して進められるケースもあります。ただし金融機関によっては建物の見積もりや建築計画資料を求められます。
金銭消費貸借契約とは、簡単にいえば金融機関とのローン契約です。
本審査が通ったあと、借入の条件を確定させて契約を結びます。
金消契約のあと、決済日に融資実行・残代金の支払い・所有権移転登記を行い、土地の引渡しを受けます。ここまで終わると土地の購入は完了です。
土地購入後に地盤調査を行い、建物の着工へと進みます。

土地の探し方4つ
土地の探し方には、いくつか方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、組み合わせて使うのがおすすめです。
・インターネットから探す
・希望するエリアに出向き足で探す
・不動産会社やハウスメーカーに依頼する
・専門家へ相談する

インターネットから探す
不動産ポータルサイトや不動産会社のホームページで検索して土地を探します。
インターネットからだと多くの情報が集まっているので、エリアや価格、土地の面積や駅などさまざまな条件で探せます。
気軽に探せることが大きなメリットですが、デメリットをあげるならば、非公開物件は探せないことや、土地の良し悪しの判断がその場ではなかなかつきづらいことです。
また土地の詳細な住所が記載されていない場合も多く、問い合わせないと場所を教えてくれない場合もあります。
注意点として、問い合わせ先の会社は販売することが目的なので、その土地のメリットは多く伝えてくれますが、デメリットは販売に影響するので伝えてくれないケースもあります。
土地によってはインフラの整備や地盤改良工事、造成、擁壁工事など、住宅を建てる上で追加工事をしないと建てられない土地も存在します。
希望する土地のデメリットを知らずに購入し、後から高額な追加工事費用が発生することもあるので、購入前にしっかりと見定める必要があります。可能であれば購入する仲介業者以外から専門意見を聞くのが、最もリスクを抑えられる方法です。
希望するエリアに出向き足で探す
普段、街を歩いていて空き地に売地看板を見たことはございませんか?
実際に希望するエリアに出向き探索すると、思わぬ形でよい土地に巡り会える可能性もあります。
特に郊外などの不動産会社の場合、インターネットに物件情報を掲載せずに看板だけで集客している会社も存在します。
土地を探しながら希望エリアの利便性や雰囲気の確認も含めて探してみるのもよいでしょう。
不動産会社やハウスメーカーに依頼する
希望するエリアの不動産会社へ依頼して土地を探してもらうことも可能です。
ただし不動産会社には得意・不得意の分野があります。賃貸を中心に扱う会社や、建物販売を主軸にしている会社では、土地探しの情報量や対応の範囲が限られることがあります。
土地を扱っている不動産会社へ相談することが大事です。インターネットから探す場合でもお伝えしましたが、紹介を受けた土地が問題ないかの判断は、しっかりする必要があります。
もう一方のハウスメーカーで探してもらう方法は、建物から土地探しまで一貫して行ってもらえるので、手間を省けるメリットがあります。ハウスメーカーが購入した土地を販売してもらえる場合もあります。
注意点として、ハウスメーカーへ依頼する際は契約することが大前提になります。
建築条件付き土地を紹介された場合は、原則としてそのハウスメーカー以外から建築することはできません。ハウスメーカーを1社に絞っているなら、依頼してもよいでしょう。
専門家へ相談する
土地探しと並行して、住宅ローンや資金計画を含めて相談できる専門家に声をかけておくのも有効です。
土地・建物・ローンを通して見てくれる相手がいると、「この土地なら予算内で建てられるか」「ローンはどう組むか」を早い段階で確認できます。
売り手側ではない第三者の視点が入ると、追加費用や資金繰りのリスクを抑えやすくなります。
まとめ
注文住宅の土地探しから購入までの流れと、土地の探し方を紹介しました。
大事なのは、土地そのものの良し悪しだけでなく、どの順番で進み、お金がいつ動くのかを最初に把握しておくことです。これを知っておくだけで、土地探しの途中で資金繰りに慌てずにすみます。
実際に土地を探すときに確認すべきチェック項目は、こちらの記事を参考にしてください。

よくある質問
土地探しは何から始めればいいですか?
まずはエリアと予算を決め、家族の希望条件を洗い出して優先順位をつけることから始めます。土地と建物にかける予算のバランスを最初に決めておくと、土地に出せる金額がはっきりして、その後の土地探しがスムーズになります。
土地を先に買うとき、つなぎ融資・土地先行融資はいつ必要ですか?
住宅ローンは建物完成時の実行が基本のため、土地代を先に払うにはつなぎ融資や土地先行融資といった仕組みを使います。金利や手数料が通常の住宅ローンと異なるので、土地を探し始める段階で金融機関や専門家に確認しておくと安心です。
事前審査と売買契約はどちらが先ですか?
一般的には事前審査が通ってから土地の売買契約に進みますが、同時並行で進めたり、先に売買契約を結ぶケースもあります。順番は状況によって前後するので、不動産会社や金融機関と相談しながら進めてください。
借入や収入に不安があっても、土地から家を建てられますか?
借入があったり収入に不安があったりすると、土地+建物の資金計画やローンの組み方はより慎重になります。借りられる総額の枠から土地に出せる金額を逆算する設計が大切です。返済比率や借入状況で取れる選択肢は変わるので、難しいと感じたら早めに専門家へ相談してください。
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